(あらすじ) さすらいのシングルマザー浦島クマ、6月末には帰国して3年経つ。ドラがドイツ系猛獣学校を卒業する。宇宙の采配が巡ってきた。 熱田津に船乗りせんと月待てば 潮もかないぬ 今は漕ぎいでな 額田王の短歌が好きである…
目覚めと勝負
このところ冬眠から覚めた心地がしている。過去2シーズンは冬眠する間がなかった、というか寝ているどころではなかったのだ。石の上にもで、とにかく3年経ち、どうやらこの土地に落ち着いてきた。冬の間の出来事はまるで夢の中のようで…
ドラクマ ~宇宙の仕組みと法則~
オマがいないと思うと寂しい。人生で濃密に絡んだ人物がいなくなる。。 事故災害戦争など悲惨な出来事で、大勢の犠牲者がでるときと全く違う喪失感。 魂に肉体とキャラクターと役割を与えて、神様が人生ゲームを楽しんでいる。 宇宙の…
ドラクマ ~オマを思い浮かべて~
泣き顔のドラから渡された電話にでると、オマが旅立ったという報せだった。ジャマイカから飛んできた娘のルーヴェ、ドイツからしばしば訪れていた息子のコブラに、両側から手を取られて平穏に逝ったという。1年ほど癌を患って、先日は、…
ドラクマ ~街暮らしの野性~
<あらすじ> さすらいのシングルマザー浦島クマ、今季は冬眠せずに電車通勤などしている。インフルエンザというものは、集団心理に振り回されなければ罹らないらしい。マスクはせずに口を閉じて唾液の分泌を促し、意味が不明の車内のブ…
ドラクマ ~龍神~
半島を南へ下って歩いていくと、昨夜の雪はほとんど溶けている。海峡を横切るように強風が西から吹きつけてくる。島へ渡る大橋を歩いていくには、あまりコンディションがよろしくない。歩道の脇には手すりがあって、その向こうは大海原が…
ドラクマ ストーリー ~海辺のあばら屋編~
新春、海辺のあばら屋の女主人タツを訪ねると、例によって一時同居人というか居候が2名いた。それでは窮屈だからと宿泊をためらっていると、タツはいっこうに意に介さず、二枚の敷き布団を並べて、3名で横向きに寝れるのだと嬉々として…
ドラクマ ~さらばノラ娘!~
冬休みに入ってすぐ、ドラはフランスに飛んだ。癌と生きるオマのお呼びを断るに断れず、泣く泣く飛んでいった。病を盾に我を通し、皆が屈服するという有様になっている。父親コブラもすでにあちらにいるから、一悶着は免れないだろう。ど…
ドラクマ ~冬の陽~
(あらすじ) さすらいのシングルマザー浦島クマ、帰国後は家族との関わりがテーマの暮らしだった。どうやら、ただのさすらいのクマに戻す時が来たようだ。宇宙の采配は、クマにかなりの自由裁量を託し、クマの器を試している。 *~*…
ドラクマ ~秋の陽~
うららかな休日、クマは久方ぶりに洗濯物を干していた。海はさぞかし綺麗に違いないと思ったが、洗濯係のロバがめかし込んで出かけてしまったので、仕方ない。めっきり腰が曲がってきたロバは、あまり人に会いたがらなくなった。腰が目立…