(あらすじ)
さすらいのシングルマザー浦島クマ、6月末には帰国して3年経つ。ドラがドイツ系猛獣学校を卒業する。宇宙の采配が巡ってきた。
熱田津に船乗りせんと月待てば 潮もかないぬ 今は漕ぎいでな
額田王の短歌が好きである。十数年前のドイツでは、日本語の文庫本一冊を10回以上読んでみた。それしか読むものがなくて、それまで同じ本を繰り返し読むことがなかったからである。
何もないところから、何かが湧き出るてくるのを待つのが好きである。あまり調べものもせず、何も知らないままで平気で暮らしていた。
帰国して一気に大量の情報がなだれ込んできた。環境も激変した。宇宙の采配である。そろそろ居所を移そうと思う。海の近くの小高い山の中腹辺りで、土のある広い家に住みたい。家族や同居人がいるといい。小さい畑もやりたい。