ドイツの森で暮らしていた頃は、今頃クマはとっくに冬眠している。穴ぐらでぬくぬくして、木枯らしを眺めたり、月夜の晩には近所のテンと連れ立って、雪に覆われた銀色の森の道を散歩して過ごした。そしてクローブとシナモンを入れて温めたワインを飲んでいた。
お正月の三が日、お詣りと散歩の他はゴロゴロして、やっと生きている感覚が戻ってきた。忙しいのだ、日本の暮らしは。
訪問手当サービスを再開した。仕事始め。海岸沿いにクルマを走らせ、稲村ヶ崎を廻ったら、正面に堂々と雪を頂いた富士山が登場し、たまげてしまった。つい見とれて曲がり角を行き過ぎたが、この経路がある限り、この仕事を続ける価値はある。
異文化間でシステムの違いに戸惑う。帰国後、怒濤のような一年が過ぎ、この頃やっと周りを見回すことができるようになった。。駅の周辺に乱立する看板の類が見れない。情報量が多すぎる。カミオーカの街、人と車とお店と看板に圧倒される。